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2025.06.08
パーキンソン病の診断に役立つ検査とは?
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パーキンソン病は、主に運動機能に影響を与える神経疾患で、早期の診断と適切な治療が重要です。
しかし、パーキンソン病の診断は単純ではなく、特定の診断用の血液検査や画像検査は存在しません。
そのため、医師は患者様の症状や病歴を基に診断を行いますが、近年ではさまざまな検査が補助的に用いられ、
正確な診断が可能になってきました。本コラムでは、パーキンソン病の診断に役立つ主要な検査方法について説明します。

臨床診察による診断

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1. 運動症状の評価


パーキンソン病の主な症状には、手や足の震え(振戦)、筋肉のこわばり(筋強剛)、
動作が遅くなる(寡動)、バランス感覚の低下などがあります。
医師は、これらの症状が片側から始まっているか、歩行の様子や姿勢が変わっていないかを確認します。
これにより、パーキンソン病の典型的な症状を確認します。

2. 症状の進行状況と病歴の確認


パーキンソン病は徐々に進行するため、症状の進行具合を患者様やご家族から詳しく聞きます。
症状の変化が緩やかに進んでいるか、短期間で急激に悪化しているかを確認することで、
パーキンソン病か他の神経疾患かを見極める手助けになります。


パーキンソン病の診断に役立つ画像検査

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3. MRI(磁気共鳴画像法)


MRIは、脳内の構造を詳細に映し出す画像検査です。
パーキンソン病の診断自体には直接関与しませんが、脳腫瘍や脳卒中、その他の神経変性疾患と区別するために使われます。
MRIで異常が見つからない場合、パーキンソン病の可能性が高まります。

4. DATスキャン(ドーパミントランスポーター・イメージング)


DATスキャンは、脳内のドーパミン神経の活動を評価するための特殊な検査です。
パーキンソン病は、ドーパミンが減少することで発症するため、DATスキャンによりドーパミン神経の状態を確認できます。
この検査は、パーキンソン病と他の震えを伴う疾患との鑑別に役立ちます。

5. PETスキャン(陽電子放射断層撮影)


PETスキャンは、脳の機能を調べるための検査で、特に脳内のドーパミン神経の活動を評価することができます。
PETスキャンにより、パーキンソン病によるドーパミンの減少が確認されることがありますが、
高度な技術と設備が必要なため、一般的な診断には使われにくいことがあります。

生理機能検査と血液検査

6. 脳波検査(EEG)


脳波検査は、脳の電気的な活動を測定する検査です。
パーキンソン病そのものを直接診断することはできませんが、特に認知機能に問題がある場合や、
他の神経疾患を疑う場合に実施されます。

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7. 血液検査


パーキンソン病の診断に特異的な血液検査はありませんが、血液検査を行うことで、
他の病気の可能性を排除できます。例えば、ビタミン欠乏や甲状腺機能の異常が原因で似たような症状を
引き起こすことがあるため、血液検査を行うことでこれらの要因を除外します。


パーキンソン病の診断と治療方針の決定

8. 薬物療法の開始


パーキンソン病の治療には、ドーパミンを補充するための薬物療法が用いられます。
代表的な薬には、レボドパやドーパミンアゴニストがあり、これらの薬によって症状の改善が期待されます。
治療は、患者様の症状に応じて個別に調整されます。

9. 経過観察と生活支援


パーキンソン病は進行性の疾患であるため、定期的な経過観察が必要です。
症状の進行に応じて薬の調整やリハビリテーションが行われます。
また、患者様の日常生活を支援するために、介護やリハビリ、栄養指導などのサポートが提供されます。

早期発見と適切な診断の重要性


パーキンソン病の診断は、症状が進行する前に早期に行うことが重要です。臨床診察や画像検査、
血液検査などを組み合わせることで、正確な診断が可能となります。診断が確定した場合、
早期に治療を開始し、症状の進行を遅らせることができます。パーキンソン病の疑いがある場合、
早めに神経内科を受診し、医師と相談することが、患者様とご家族にとって安心して生活を送るための第一歩となります。




【パーキンソン病については、お気軽にご相談ください!】


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