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2025.06.22
パーキンソン病と歩行改善のためのトレーニング法
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パーキンソン病は、主に運動機能に影響を与える進行性の神経疾患であり、筋肉のこわばりや震え、
バランスの問題が日常生活に大きな支障をきたします。進行に伴い、患者様の筋力も徐々に低下し、
動きが制限されることが増えます。適切な筋力トレーニングを取り入れることで、身体機能を維持し、
症状の進行を遅らせることが可能です。
本コラムでは、パーキンソン病に対する筋力トレーニングの重要性と、実際のトレーニング方法について解説します。

筋力トレーニングがパーキンソン病に効果的な理由

1. 筋力トレーニングの役割


パーキンソン病では、筋力の低下が進行するにつれて、日常生活の動作が困難になることがあります。
筋力が弱まると、立ち上がりや歩行がスムーズに行えなくなり、転倒のリスクが高まります。
しかし、筋力トレーニングを行うことで、筋肉を強化し、関節を安定させることが可能です。

筋力トレーニングは、パーキンソン病の症状を改善するだけでなく、
身体機能を維持し、QOL(生活の質)を向上させるための重要な手段です。
特に、早期からのトレーニングが進行を遅らせ、日常生活の自立を保つために効果的です。

2. 筋力低下とパーキンソン病の関係


パーキンソン病の特徴的な症状として、筋肉のこわばり(リジディティ)や震え(トレモール)があります。
これらの症状が長期的に続くと、筋肉は使われにくくなり、次第に弱っていきます。
また、運動を避けることによる「廃用性筋萎縮(筋肉が使われないことで痩せる現象)」が起こり、症状がさらに悪化します。

筋力トレーニングを行うことで、筋肉の萎縮を防ぎ、筋力を維持することができます。
また、筋肉を使うことで、脳の神経回路が刺激され、運動機能の改善が促進される可能性があります。
このように、筋力トレーニングは身体的な面だけでなく、神経系にも良い影響を与えるとされています。


パーキンソン病に適した筋力トレーニング

画像説明

3. 初心者向けの筋力トレーニング


パーキンソン病の患者様にとって、筋力トレーニングは過度な負担を避けつつ、徐々に筋力を高めることが重要です。
以下は、初心者でも取り組みやすい筋力トレーニングの例です。

・スクワット:足を肩幅に開き、ゆっくりと腰を下ろして立ち上がる動作です。
           下肢の筋力を鍛えることができ、歩行や立ち上がり動作がスムーズになります。壁や椅子をサポートに使うと安全です。

・椅子からの立ち上がり練習:椅子に座った状態からゆっくりと立ち上がり、
                       再び座る動作を繰り返すことで、股関節や太ももの筋力を鍛えます。

・脚の伸展運動:椅子に座り、片足ずつ前に伸ばす動作です。
             太ももの前部の筋肉を強化し、膝の安定性を高めます。


4. 中級者向けの筋力トレーニング


ある程度の筋力が備わった段階では、より負荷のかかるトレーニングを取り入れることで、
さらなる筋力強化が期待できます。以下のトレーニングが推奨されます。

・プランク(体幹トレーニング):両肘とつま先で体を支え、背筋をまっすぐに保つ動作です。
                          姿勢が改善され、バランス感覚が向上します。

・ステップアップ:段差のある場所に片足を乗せ、体重をかけながらその足で立ち上がる動作です。
              片足ずつ交互に行うことで、下肢全体の筋力をバランスよく鍛えることができます。

5. バランスと柔軟性を組み合わせたトレーニング


筋力トレーニングに加えて、バランスや柔軟性を向上させるエクササイズを取り入れることで、
全体的な身体機能の向上が期待できます。ヨガやピラティスの動きも効果的です。
筋力だけでなく柔軟性や姿勢改善にも役立ちます。


筋力トレーニングの成功事例

6. 成功事例1:65歳男性のケース


65歳の男性Aさんは、パーキンソン病の初期に診断され、筋力低下を感じ始めた頃に筋力トレーニングを開始しました。
週に2回、椅子からの立ち上がり練習やスクワットを中心にトレーニングを続けた結果、
数ヶ月後には日常生活での動作が楽になり、歩行も安定しました。

7. 成功事例2:70歳女性のケース


70歳女性Bさんは、進行したパーキンソン病による筋力低下で、日常生活に支障を感じていました。
筋力トレーニングをリハビリの一環として導入し、太ももや体幹を鍛える運動を毎日少しずつ続けました。
その結果、立ち上がり動作がスムーズになり、移動も容易になりました。


まとめ

画像説明

パーキンソン病における筋力トレーニングは、身体機能を維持し、日常生活を支える重要な役割を果たします。
筋力の低下は進行性の症状ですが、トレーニングによってその進行を遅らせることが可能です。
自信や自立を促し、より活力ある生活につながります。




【パーキンソン病については、お気軽にご相談ください!】

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