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2025.04.26
パーキンソン病と認知機能の低下 – 予防と対策

#女性の病気
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パーキンソン病は運動機能の障害が特徴的な神経変性疾患ですが、認知機能の低下も少なからず影響を与えることがあります。
認知機能の低下は、患者様の生活の質を低下させるだけでなく介護負担の増加にもつながります。
本コラムでは、パーキンソン病に伴う認知機能の低下のメカニズム、症状、
そしてその予防と対策についてわかりやすく解説します。
パーキンソン病における認知機能低下のメカニズム
認知機能の低下とは?
認知機能とは記憶や判断力、注意力、言語理解など、日常生活を送る上で必要な知的な能力を指します。
パーキンソン病の進行に伴い、これらの機能が徐々に低下することがあります。
認知機能の低下は病気の初期には目立たないことが多いですが時間が経つにつれ、
記憶の混乱や計画性の低下などの症状が見られるようになります。
認知機能低下の原因
パーキンソン病は、ドーパミンと呼ばれる脳内物質の不足によって発症しますが、
認知機能の低下にはそれ以外の脳領域も関与しています。
特に、前頭葉や海馬といった脳の部位が損傷を受けることが、記憶力や注意力の低下につながるとされています。
また、αシヌクレインという異常なタンパク質の蓄積が神経細胞にダメージを与えることも、
認知機能に影響を与える要因です。
認知機能低下の主な症状
記憶力の低下
パーキンソン病患者では、特に短期記憶に問題が生じやすいです。
これにより、最近の出来事や約束を忘れやすくなったり、物をどこに置いたか覚えていないという状況が発生します。
ただし、アルツハイマー型認知症とは異なり、初期には長期記憶は比較的保たれることが多いです。
注意力の低下
注意力の低下も認知機能の低下に含まれます。患者様が一度に複数のことをこなすのが難しくなったり、
話している途中で集中力が切れてしまうことがあります。
また、集中が続かず、車の運転や料理など注意力が必要な作業が困難になることもあります。
計画力・判断力の低下
計画を立てる力や、適切な判断をする能力も低下することがあります。
これにより、日常生活の中でスケジュール管理が難しくなったり、金銭管理に支障をきたす場合もあります。
また、急な変化や予期せぬ出来事に対処するのが困難になり、不安を感じやすくなることもあります。
認知機能の低下を予防する方法
定期的な運動
運動は、パーキンソン病に伴う運動機能の低下を緩和するだけでなく、
認知機能にも好影響を与えることが知られています。適度な有酸素運動(ウォーキングや軽いジョギングなど)は、
脳の血流を促進し、認知機能の維持や改善に寄与します。
また、バランス訓練や筋力トレーニングも、体の動きとともに脳の働きを活性化させる効果があります。
認知トレーニング
認知機能を鍛えるためには、パズルやクロスワード、読書、学習などの知的活動が役立ちます。
これらの活動は、脳を刺激し新しい神経経路を作る手助けをします。
特に、日常生活の中で新しい挑戦をすることが認知機能の維持に重要です。
また、複数の作業を同時に行う練習や計画を立てる訓練も効果的です。
社会的なつながりを維持する
社会的な活動や他者とのコミュニケーションは、認知機能の低下を防ぐ大切な要素です。
家族や友人との交流を保つこと、地域の活動に参加すること、ボランティア活動に取り組むことなどが推奨されます。
社会的つながりは、感情的なサポートを提供するだけでなく脳の活性化にもつながります。
食事と栄養
認知機能を守るためには、脳の健康に良いとされる食事を心がけることも重要です。
特に、魚(オメガ3脂肪酸が豊富)や野菜、果物、ナッツ類などが効果的です。
これらの食品は、抗酸化物質や必須脂肪酸を豊富に含み、脳細胞の健康を維持するのに役立ちます。
また、過度な塩分や糖分、加工食品は避けバランスの取れた食事を摂るように心がけましょう。
認知機能低下に対する治療法
薬物療法
認知機能低下に対しては、ドネペジル(商品名:アリセプト)などの認知症治療薬が処方されることがあります。
これらの薬は、神経伝達物質の働きを補助し、記憶力や判断力を維持する助けとなります。
ただし、すべての患者に効果があるわけではなく副作用もあるため、
医師と十分に相談して治療方針を決めることが大切です。
定期的な医療チェック
定期的に医師の診察を受け、認知機能の低下の兆候を早期に発見することも重要です。
必要に応じて、神経心理学的な検査を行うことでどの認知機能が影響を受けているかを具体的に把握できます。
早期の対処が症状の進行を遅らせるために役立ちます。
認知機能の低下を防ぐためにできること
パーキンソン病に伴う認知機能の低下は生活の質に大きな影響を与える可能性がありますが、
適切な予防と対策を取ることで、その進行を抑えることができます。定期的な運動、知的活動、社会的なつながりの
維持、バランスの取れた食事を心がけることで、脳の健康を保つことが可能です。
また、医師との連携を密にし適切な治療法を取り入れることも重要です。
患者様とそのご家族が協力し、認知機能の維持に努めることでより豊かで安心できる日常生活を送ることができます。
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