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2025.05.15
パーキンソン病における嚥下の問題と医療スタッフの役割

#女性の病気
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パーキンソン病では、手足の動きだけでなく、飲み込み(嚥下)の機能にも影響が出ることがあります。
この問題は食事の楽しみを奪うだけでなく、栄養状態や健康にも関わる重要な課題です。
今回は、嚥下の問題と、それに対応する歯科医、歯科衛生士、言語聴覚士の役割についてご説明します。
パーキンソン病における嚥下の問題と医療スタッフの役割
①パーキンソン病と嚥下の問題
パーキンソン病では、以下のような嚥下の問題が生じることがあります:
- 飲み込みの動きが遅くなる
- 食べ物や飲み物が気管に入りやすくなる(誤嚥)
- 唾液が多くなったり、逆に口が渇きやすくなったりする
- 飲み込む際の咳反射が弱くなる
これらの問題は、栄養不足や肺炎のリスクを高める可能性があります。
② 歯科医の役割
a) 口腔内の健康管理:
- 虫歯や歯周病の治療
- 適切な義歯の作成と調整
b) 嚥下機能の評価:
- レントゲン撮影などによる嚥下機能の評価
- 嚥下障害の程度に応じた食事形態の提案
c) 他の専門家との連携:
- 言語聴覚士や栄養士との情報共有
- 必要に応じて、嚥下専門医への紹介
③ 歯科衛生士の役割
a) 口腔衛生指導:
- 適切な歯磨き方法の指導
- 口腔ケア用品の選択と使用方法のアドバイス
b) 専門的な口腔ケア:
- 歯石除去や歯面清掃
- 義歯の洗浄と管理方法の指導
c) 嚥下機能をサポートする口腔ケア:
- 口腔内の過敏性を和らげるケア
- 唾液腺マッサージなどによる唾液分泌の促進
④ 言語聴覚士の役割
a) 嚥下機能の詳細な評価:
- 嚥下造影検査(レントゲンで飲み込みの様子を観察)
- 内視鏡を使用した嚥下機能検査
b) 嚥下リハビリテーション:
- 嚥下体操(舌や喉の筋肉を鍛える運動)
- 適切な食事姿勢や食べ方の指導
c) 食事形態の提案:
- 症状に応じた食事の固さや粘度の調整
- とろみ剤の使用方法の指導
d) 代償的な嚥下方法の指導:
- 頭部を少し前に倒して飲み込む方法
- 複数回に分けて少量ずつ飲み込む方法など
⑤ チームアプローチの重要性
嚥下の問題に対しては、これらの専門家がチームとなって対応することが重要です。
定期的なカンファレンスを通じて情報を共有し、患者さんの状態に応じた最適なケアを提供します。
⑥ 患者さんとご家族にできること
- 定期的な歯科検診と口腔ケアの実施
- 嚥下の問題を感じたら、早めに医療スタッフに相談する
- 医療スタッフの指導に基づいた日常的なケアの実践
- 食事環境の整備(姿勢、食器、照明など)
まとめ
このコラムでは、パーキンソン病における嚥下の問題と、それに対応する歯科医、歯科衛生士、
言語聴覚士の役割について解説しました。嚥下機能の低下は生活の質に大きく影響しますが、
適切なケアとリハビリテーションにより、多くの場合改善が可能です。
問題を感じたら早めに相談し、専門家のアドバイスを受けることが大切です。
多職種による包括的なアプローチが、安全で楽しい食生活につながります。
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