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2025.01.07
パーキンソン病の初期症状と見逃さないためのポイント
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「最近、少し体の動きが鈍くなった気がする…」「家族から、表情が乏しくなったと言われた…」 こんな些細な変化に、実はパーキンソン病の兆候が隠れていることがあります。 早期発見が治療の鍵となるこの病気、どんな初期症状があるのでしょうか? 見逃さないためのポイントとともに、わかりやすく解説します。  

パーキンソン病の初期症状と見逃さないためのポイント

パーキンソン病は、初期段階では症状が軽微で気づきにくいことが特徴です。しかし、早期発見・早期治療が重要なため、以下の初期症状とそのポイントを知っておくことが大切です。  

1.手の震え(振戦)

特徴:
  • 片側の手や指が、じっとしているときに細かく震える
  • 物を持つなど、手を使うと震えが収まる
  • 緊張すると震えが強くなることがある
ポイント: 震えは最も有名な症状ですが、必ずしも最初に現れるとは限りません。また、他の原因(疲労、ストレスなど)でも震えることがあるため、持続的に見られる場合に注意が必要です。    

2.動作の遅さ(無動・寡動)

特徴:
  • 歩く速度が遅くなる
  • 椅子から立ち上がるのに時間がかかる
  • 着替えや食事など、日常動作に時間がかかるようになる
ポイント: 「最近、動作が遅くなった」と感じたら要注意です。特に、片側の腕や脚の動きが遅くなっていないか観察してみましょう。  

3.筋肉のこわばり(固縮)

特徴:
  • 腕や脚、首などの筋肉が硬くなり、動かしにくくなる
  • 関節を曲げ伸ばしする際に、スムーズに動かせない
ポイント: 筋肉のこわばりは、本人よりも家族や周囲の人が気づきやすいことがあります。腕を振らずに歩くようになった、などの変化に注目しましょう。  

4.姿勢の変化と歩行の異常

特徴:
  • 前傾姿勢になる(猪首)
  • すり足歩行
  • 方向転換時のふらつき
ポイント: これらの症状は進行してから目立つようになりますが、軽度の変化が初期から現れることもあります。  

5.表情の乏しさ(仮面様顔貌)

特徴:
  • 無表情に見える
  • まばたきの回数が減る
ポイント: 「最近、表情が乏しくなった」と周囲から言われることがあります。本人は気づきにくい症状です。

6.小さな字(小字症)

特徴:
  • 文字が小さくなる
  • 文章の終わりに向かって文字がさらに小さくなる
ポイント: 署名や日記など、経時的に比較できるものがあれば、変化に気づきやすくなります。

7.声の変化

特徴:
  • 声が小さくなる
  • 話し方が単調になる
ポイント: 「最近、声が聞き取りにくくなった」と周囲から指摘されることがあります。  

8.睡眠障害

特徴:
  • 寝ている間に大声を出す、激しく体を動かす(レム睡眠行動障害)
  • 昼夜逆転
ポイント: これらの睡眠障害は、運動症状が現れる何年も前から生じることがあります。  

9.嗅覚低下

特徴:
  • においがわかりにくくなる
ポイント: 嗅覚の低下は、パーキンソン病の非常に早期から現れることがありますが、加齢でも起こるため、単独での判断は難しいです。  

10.便秘

特徴:
  • 慢性的な便秘
ポイント: 便秘は多くの人が経験する症状ですが、パーキンソン病では運動症状が現れる前から生じることがあります。  

結び

このコラムでは、パーキンソン病の初期症状と見逃さないためのポイントを解説しました。手の震えや動作の遅さといった運動症状から、表情の変化や睡眠障害まで、多様な初期症状をご紹介しました。 これらの症状は単独では判断が難しいものの、複数の症状が組み合わさって現れ、徐々に進行することが特徴です。早期発見が重要なため、気になる症状が持続する場合は、ためらわずに医療機関に相談することをお勧めします。適切な治療により、長期にわたって質の高い生活を維持できることを覚えておいてください。
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