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2025.05.10
パーキンソン病の診断方法 – 何が行われるか?
#女性の病気
#男性の病気

「最近、手の震えが気になる...」
「動作が遅くなった気がする...」


こういった症状でパーキンソン病を疑い、医療機関を受診される方は少なくありません。
しかし、パーキンソン病の診断は簡単ではありません。
このコラムでは、パーキンソン病の診断プロセスと、そこで行われる検査についてご説明します。

パーキンソン病の診断方法 – 何が行われるか?

01|問診


医師は詳細な問診を行います。主に以下のような内容を確認します:
・症状の開始時期
・具体的な症状(震え、動作の遅さ、筋肉のこわばりなど)
・症状の進行状況
・日常生活への影響
・家族歴(特に神経疾患の有無)
・服用中の薬や既往歴

問診は診断の重要な部分であり、患者さんの症状を総合的に把握するために十分な時間をかけて行われます。

02|神経学的診察


医師が直接体を診察します。主に以下のようなチェックが行われます:
・筋力や反射のチェック
・歩き方の観察
・手足の動きや硬さの確認
・表情の観察
・バランス機能のテスト

これらの診察により、パーキンソン病特有の症状(筋固縮、動作緩慢、振戦、姿勢反射障害など)の有無を確認します。

03|認知機能検査


パーキンソン病では認知機能に影響が出ることもあるため、簡単な認知機能検査が行われることがあります。
これは、記憶力や注意力、実行機能などを評価するテストです。

04|画像検査


脳のMRIやCT検査が行われることがあります。
これらの検査は、他の疾患(脳腫瘍や脳血管障害など)を除外するために重要です。

また、DATスキャンという特殊な検査が行われることもあります。
これは脳内のドーパミン神経の状態を見る検査で、パーキンソン病の診断に役立ちます。

05|血液検査


パーキンソン病に特異的な血液検査はありませんが、他の疾患を除外するために行われることがあります。
甲状腺機能や肝機能、ビタミンB12レベルなどがチェックされます。

06|L-ドーパ試験


診断が難しい場合、L-ドーパという薬を試験的に服用してもらい、症状が改善するかを確認することがあります。
パーキンソン病の場合、L-ドーパによって症状が改善することが多いため、診断の手がかりになります。

07|経過観察


初期段階では診断が困難な場合もあるため、数ヶ月から1年程度の経過観察が必要になることがあります。
定期的な診察を通じて、症状の進行や変化を確認します。

診断における重要なポイント


・パーキンソン病の診断には時間がかかる場合があります。
・現在のところ、パーキンソン病を100%確実に診断できる単一の検査法はありません。
・複数の検査や診察結果を総合的に判断して診断を行います。
・初期段階では他の神経疾患との区別が難しい場合があり、経過観察が重要になります。
・パーキンソン病と似た症状を示す疾患(パーキンソン症候群)もあるため、慎重な鑑別診断が必要です。
・患者さんと医師のコミュニケーションが非常に重要です。

まとめ


このコラムでは、パーキンソン病の診断方法について解説しました。
問診、神経学的診察、各種検査など、多角的なアプローチで診断が進められます。

診断プロセスは時間がかかることもありますが、これは慎重に正確な診断を行うためです。
医師とよくコミュニケーションを取りながら進めることが大切です。

適切な診断は、その後の適切な治療につながる重要な第一歩となります。




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