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2025.05.26
パーキンソン病の進行を遅らせるための食生活の工夫

#女性の病気
#男性の病気
パーキンソン病は、ドーパミンという脳内物質が不足することで発症し、運動機能に影響を与える
進行性の神経疾患です。治療の中心は薬物療法ですが、日々の食生活の工夫も、症状の緩和や進行の
遅延に役立つとされています。特に、栄養バランスを整え、必要な栄養素をしっかりと摂取することで、
患者様の体調管理や生活の質を向上させることが可能です。
本コラムでは、パーキンソン病患者様が進行を遅らせるために役立つ食生活の工夫についてご紹介します。
バランスの取れた食事を心がける
1. タンパク質の適切な摂取
タンパク質は体を構成する重要な栄養素ですが、
パーキンソン病治療薬(レボドパ)の効果を妨げる可能性があるため、摂取タイミングに注意が必要です。
朝食や昼食では、レボドパの吸収を妨げないよう、タンパク質を控えめにし、
夕食時にしっかり摂取するなど、薬の作用時間を考慮した食事計画が有効です。
2. 抗酸化作用のある食品を取り入れる
抗酸化作用のある食品、例えばビタミンCやビタミンEを豊富に含む果物や野菜(ブロッコリー、ほうれん草、オレンジなど)
を積極的に取り入れることで、酸化ストレスを軽減し、脳細胞を保護する効果が期待されます。
3. 食物繊維と水分をしっかり摂る
パーキンソン病の症状の一つとして便秘が挙げられます。腸の動きが鈍くなるため、
食物繊維が豊富な食品(玄米、さつまいも、豆類など)を積極的に取り入れ、適切な水分補給を行うことが重要です。
これにより、腸内環境が改善され、便秘の解消につながります。
患者様に特化した食事の工夫
4. 食事の形態を工夫する
嚥下障害が進行した場合、固い食べ物を避け、柔らかい食べ物を中心にした食事を心がけましょう。
野菜は柔らかく煮込む、肉はミンチ状にするなど、食べやすい形に変えることで、負担を軽減できます。
5. 一口サイズで提供する
少量ずつ提供することで、誤嚥(食べ物が誤って気道に入ること)のリスクを減らし、安心して食事を続けられます。
6. スムージーや補助食品を活用する
果物や野菜、乳製品などをスムージーにして摂取することで、栄養を効率的に摂ることができます。
嚥下が難しい患者様にとっても、飲みやすい形で栄養を補うことができます。
食事と薬の相互作用に気をつける
7. レボドパとタンパク質の関係
レボドパは、腸で吸収されるため、タンパク質と競合することがあります。
これにより、効果が弱まることがあるため、薬の服用1時間前や服用後は、タンパク質を控えると良いでしょう。
8. ビタミンB6の過剰摂取に注意
ビタミンB6は神経系の働きをサポートしますが、過剰に摂取するとレボドパの効果を低下させる可能性があります。
医師や栄養士と相談して調整することをおすすめします。
まとめ
薬物療法と食生活の両面からアプローチすることが、パーキンソン病とのより良い向き合い方です。
家族や医療スタッフと協力しながら、個々に合った食事を工夫していきましょう。
【パーキンソン病については、お気軽にご相談ください!】
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