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2025.05.08
パーキンソン病患者のための栄養管理のポイント
#女性の病気
#男性の病気

パーキンソン病の方にとって、適切な栄養管理は症状の改善や生活の質の向上に大きく貢献します。
しかし、「何をどう食べればいいの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
このコラムでは、パーキンソン病患者さんの栄養管理のポイントを、日々の食事に取り入れやすい形でご紹介します。

パーキンソン病患者の栄養管理のポイント

1.タンパク質摂取のタイミング


パーキンソン病の治療薬(L-ドーパ)は、タンパク質と同じ経路で吸収されるため、薬の効果に影響を与える可能性があります。
・薬の服用時間の1時間前後は、タンパク質の多い食品を避ける 
・タンパク質は、薬の影響を受けにくい夕食時に多めに摂取する 
・1日の必要タンパク質量を確保しつつ、バランスよく摂取する

2.便秘対策 パーキンソン病では便秘になりやすいため、食事面での対策が重要です。


・食物繊維を十分に摂取する(野菜、果物、全粒穀物など) 
・水分を十分に取る(1日1.5〜2リットル程度) 
・乳酸菌や食物繊維を含むヨーグルトを取り入れる

3.体重管理 パーキンソン病の進行に伴い、体重が減少しやすくなることがあります。


・エネルギー量の多い食品を適度に取り入れる(ナッツ類、アボカドなど) 
・少量多食を心がける(1日3食 + 間食) 
・食欲不振時は、栄養補助飲料の利用を検討する

4.カルシウムとビタミンDの摂取 骨粗しょう症のリスクが高まるため、骨の健康に注意が必要です。


・乳製品、小魚、緑黄色野菜などからカルシウムを摂取する 
・ビタミンDを含む食品(魚、きのこ類など)を取り入れる 
・可能であれば、日光浴でビタミンDの合成を促進する

5.抗酸化物質の摂取 酸化ストレスから身体を守るため、抗酸化物質の摂取が重要です。


・色とりどりの野菜や果物を積極的に摂取する 
・ベリー類、柑橘類、緑茶などを取り入れる

6.嚥下困難への対応 症状の進行により、飲み込みにくさが出ることがあります。


・食事の形態を工夫する(きざみ食、ペースト食など) 
・とろみ剤を利用して、飲み物にとろみをつける 
・一口量を少なめにし、ゆっくり食べる

7.水分摂取 十分な水分摂取は、便秘予防や薬の吸収、全身の健康維持に重要です。


・こまめに水分を取る習慣をつける 
・飲みやすい温度や味付けの飲み物を選ぶ 
・ゼリー状の水分補給製品も活用する

8.食事の環境づくり 楽しく食事をすることで、食欲増進や生活の質の向上につながります。


・食べやすい食器や自助具を利用する 
・家族や友人と一緒に食事を楽しむ 
・好みの音楽をかけるなど、リラックスできる環境を整える

サ9.プリメントの利用 必要に応じて、サプリメントの利用を検討することもあります。


・主治医や管理栄養士と相談の上、必要なサプリメントを選ぶ 
・薬との相互作用に注意する

10.個別対応の重要性 症状や生活スタイルは個人差が大きいため、個別の栄養指導が効果的です。


・定期的に管理栄養士に相談する 
・症状の変化や食事の悩みを伝える 
・家族と協力して、無理のない食事プランを立てる



このコラムでは、パーキンソン病患者さんの栄養管理のポイントについて解説しました。
タンパク質摂取のタイミング、便秘対策、体重管理、必要な栄養素の摂取など、
日々の食事で気をつけるべき点を紹介しました。栄養管理は、症状の改善や生活の質の向上に大きく貢献します。
ここで紹介したポイントを参考に、ご自身の状態に合わせた食事プランを立ててみてください。
困ったことがあれば、遠慮なく主治医や管理栄養士にご相談ください。私たちは皆さまの健康的な食生活を全力でサポートします。




  【パーキンソン病については、お気軽にご相談ください!】
  


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