住まい

工夫のポイント
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段差をなくす
敷居の段差をスロープで埋めるカーペットや畳のヘリを、テープで固定する -
ドアは引き戸がよい
可能であればドアは引き戸にするノブはレバーや取っ手に替えると使いやすくなる -
手すり
立ち上がる動作をする場所に、L字型の手すりを取り付ける身長に合わせて使いやすい位置に設置する
(玄関、寝室、浴室、トイレ) -
テープガイド
階段の段ごとや廊下に30~40cmの一定間隔に、またぐ目安となるテープを貼る -
足元のライト
廊下や階段、手すりの足元にライトをつける
着替え
パーキンソン病は、動作が小さくなったり関節の動かせる範囲が狭くなるため、衣類は脱着のしやすいものを選ぶようにしましょう。
工夫のポイント
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衣類の素材
伸縮性があるものにする -
前開きの服
着脱する際に、袖を通しやすくなる -
衣類のボタン
衣類のボタン部分は、大きなボタンやマジックテープに付け替えておく -
ファスナー
はめやすいよう大きな持ち手のものにする -
ズボン
ウエストがゴムのものを選ぶようにする
睡眠
睡眠障害は、パーキンソン病の患者さんに多く見られる症状です。
睡眠障害には、さまざまなタイプがあり必要な対応も異なりますので、睡眠障害の内容を詳しく把握して、主治医に相談するようにしましょう。
また、ベッドやいすは患者さんがしっかりと休むために必要な家具です。使い心地や安全性に配慮し選ぶようにしてください。

ベットの選び方

- 頭側の柵(転落防止、寝返り・起き上がりに便利)
- 端に座って足の裏が着く高さ
- マットのヘリがしっかりしている
- 可能であれば、上半分が上下できる介護用の電動ベッド

いすの選び方

- お尻が沈まない
- 回転しない
- 重量があり安定している
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幅が広すぎない
(体が横に傾かない) - 肘掛け(立ち上がりのため)
- 足の裏が付く高さ
トイレ

工夫のポイント
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洋式便器にする
和式より洋式の方が、便座への立ち座りが簡単で使いやすい -
洗浄機能付き便座
洗浄機能付き便座があると、後始末も楽になる -
手すり(手すりをつける)
手すりがあると、向きを変える動作や便座からの立ち上がりが容易 -
はねあげ式の手すり
便器のわきにははねあげ式の手すりがあると便利 -
扉は引き戸にする
引き戸のほうが転倒しにくく、転んだ場合や車いすになった場合の対応も可能
食事
食事の姿勢
椅子に座る際は、姿勢が左右に傾かないよう、また深く腰を掛けて足の裏の全面を床に着けるようにしましょう。
姿勢が傾く場合は、利き手と反対側の腕をテーブルにのせて、姿勢をまっすぐに保ちやすくすることで対応も可能です。




食器について
細かい動作がしにくくなり、食事を口に運ぶことが難しい場合やこぼしてしまう場合には、握りやすい箸やスプーン、フォークなど、使用する食器や使い方を工夫してみると良いでしょう。
浅めの器や滑り止めのついている皿を使ったり、滑り止めシートを敷いた上に食器を置くことで、食事がすくいやすくなることもあります。
食器と口の距離が短くなるように、テーブルの高さを高めに調整することも効果的です。
入浴
入浴は、筋肉の固縮をやわらげ、自律神経障害による冷えを改善します。また、患者さんの気分転換や食欲増進にもつながります。安心して入浴するために、浴室の安全対策を施しましょう。
※入浴は、身体の動かしやすい時間に行いましょう。
※浴室の整備によって介護の負担は軽減できますが、入浴は全体的な介護量が多いので、通所サービスや訪問入浴も検討しましょう。

工夫のポイント
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滑りやすさ対策
浴室は滑りやすく危険なので、すべり止めマットを敷いたり、床からの立ち上がりがしやすいようにシャワーチェアーを利用すると便利 -
脱衣所にもいすを置く
転倒の心配もなく、衣類の脱着がしやすくなる -
立ちくらみ対策
浴槽から急に立ち上がると、血圧が下がり立ちくらみが起こる危険があるため、浴槽からはゆっくりとした動作で上がるようにする -
冬場は脱衣所にも暖房器具を
冬場は脱衣場にも簡易暖房器具を設置して、浴室と脱衣場との寒暖差をなくす